舌(した)について
舌(した)は、口腔(こうくう)内にある器官で、表面の粘膜と、筋肉でできています。前方約2/3の動かせる舌可動部(舌体[ぜったい]と呼ばれることもあります)と、後方約1/3の舌根(ぜっこん)に大きく分けられます。
舌可動部の表面の粘膜には、味を感じる味蕾(みらい)という小さな器官があり、舌で味を感じることができます。そのほか、舌は、食べ物をかみ砕いてうまく飲み込むことを助ける機能や、正しく発音する機能を担っています。
舌がんとは?
舌がんは舌にできるがんで、口腔がんの1つです。
口腔がんは、舌のほか、歯茎(はぐき)や、上あご、頬(ほお)の粘膜などにできるがんです。なお、舌根の部分にできたがんは、がんの分類上、舌がんではなく中咽頭がんに該当します。
ここは特に舌がんになりやすい部位と言われております。
舌がんの多くは、扁平上皮細胞(へんぺいじょうひさいぼう)という、舌の表面を覆う細胞から発生します。がん細胞は、腫瘍が大きくなるにつれて、舌の組織の深い場所にまで広がっていきます。
どんな症状?
舌がんは、鏡を使って、患部を自分で見ることができるがんです。舌の両脇の部分にできることが多く、舌の先端や表面の中央部分ではあまりみられません。舌の裏側などの見えにくい場所にできることもあります。
自覚症状には、舌の硬いしこりやただれがありますが、痛みや出血があるとは限りません。舌の動きに対する違和感や舌のしびれがある、舌の粘膜に赤い斑点(紅板症)や白い斑点(白板症)ができている、口内炎が治りにくいなどの症状がみられることもあります。また、がんが進行した場合の症状としては、痛みや出血が持続する、口臭が強くなるなどがあります。
気になる症状がある場合は、早めに歯科・口腔外科、あるいは耳鼻咽喉科を受診し、早期発見につなげましょう。
日本全国でどれくらい患者数があるの?
舌がんは、日本全国で1年間に約4,200人が診断されます。舌がんと診断される人は男性に多い傾向があります。
舌がんになりやすくなる原因は?
舌がんを含む口腔がんが発生する主な要因は、喫煙と飲酒です。口腔がん全体の80%はたばこが原因と考えられています。
飲酒だけでも口腔がんを発生する危険性が高まりますが、喫煙と飲酒の両方の習慣がある人では、より危険性が高まることがわかっています。
予防と対策について
1.予防
日本人を対象とした研究結果では、がん予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、身体活動、適正な体形、感染予防が効果的といわれています。
2.検診
がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。
わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育およびがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」で検診方法が定められています。
しかし、舌がんについては、現在、指針として定められている検診はありません。気になる症状がある場合には、医療機関を早期に受診することが勧められます。人間ドックなど任意で検診を受ける場合には、検診のメリットとデメリットを理解した上で受けましょう。
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